変わるテストの役割

 通常、学習活動においては、指導者(先生・コーチ・アドバイザー・トレーナー等)が学習者(児童・生徒等)の実態を的確に把握し,それをもとに教授や諸指導を実施していきます。その際,学習者の実態を把握する活動が「測定(measurement)」であり、それをもとに指導のための指針を考えるのが「評価(evaluation)」です。

 例えば、陸上競技のようなスポーツを考えてみましょう。100メートル走でも幅跳びでも、コーチはまず、トレーニングの前にストップウオッチやメジャーを使ってプレーヤー(選手)の能力を「測定」し、トレーニング後も同じように「測定」を繰り返していくことで、一人ひとりの指導方法を考えていきます。学習においても同様です。この場合、陸上競技におけるストップウオッチの役割を果たすのが、学習においては一般に「テスト」と呼ばれているものです。

 従来、日本においての「テスト」は、多数の人から能力のある人を「選抜(selection)」するための道具として用いられる例がほとんどでしたが、低成長・少子化の時代においては「自分の能力を客観的に把握するためのツール(placement)」として利用される例が多くなってきています。

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